第1問(測量法)
問: 測量士または測量士補の資格を取得する方法を述べよ。
答: 測量士・測量士補ともに、①国土地理院長が行う試験に合格する方法と、②文部科学大臣の認定を受けた大学・短期大学・高等専門学校等において測量に関する科目を修めて卒業する方法(測量士の場合は所定の実務経験が必要)、および③国土交通大臣の登録を受けた養成施設において必要な知識・技能を修得する方法がある(測量法第50条・第51条)。
解説: 測量士補は、文部科学大臣の認定を受けた大学・短期大学・高等専門学校で測量に関する科目を修めて卒業すれば実務経験なしで申請取得が可能(測量法第51条第1号・第2号)。
測量士は、文部科学大臣の認定を受けた大学卒業の場合は1年以上(第50条第1号)、短期大学・高等専門学校卒業の場合は3年以上(第50条第2号)の実務経験が必要となる。試験合格による取得(第50条第5号)であれば実務経験は不要。
司法書士試験のような完全な業務独占資格と異なり、測量士補は測量士の指示のもとで作業に従事する立場である点も押さえておくとよい。試験では「学校卒業のみで取得できるか」「学校種別ごとの必要実務経験年数」が問われやすい。
第2問(測量法)
問: 測量業を営もうとする者は、誰に対してどのような手続きを行う必要があるか。また、登録の有効期間は何年か。
答: 国土交通大臣に対して測量業者の登録を受ける必要がある(測量法第55条第1項)。登録の有効期間は5年であり(同条第2項)、更新しなければその効力を失う。
解説: 測量業者は、その営業所ごとに1名以上の測量士を置かなければならない(測量法第55条の13第1項)。測量士補のみでは営業所に置くべき技術者として認められない点に注意。
「都道府県知事登録ではなく国土交通大臣登録」「1業種で全国営業可能」「5年ごとの更新」「営業所ごとに測量士1人以上」が頻出論点。
第3問(多角測量)
問: トラバース測量における「方位角」とは何か。基準となる方向と、回転の向きを答えよ。
答: 方位角とは、ある測線が基準となる北方向(X軸正方向)から右回り(時計回り)に測った水平角である。0°以上360°未満で表される。
解説: 平面直角座標系ではX軸(北方向)が基準で、北から東を経て南、西へと右回りに角度が増えていく。これは数学の座標系(X軸=右、反時計回りで角度増加)とは真逆なので、初学者がもっとも間違えやすい論点のひとつ。
トラバース計算では、**右側夾角(測線の進行方向に対して右回りに測った夾角)**を用いる場合、**前測線の方位角+右側夾角− 180°**で次の測線の方位角を求める(180°を超えたら360°を引く、マイナスになったら360°を足して0〜360°の範囲に収める)。左側夾角を用いる場合は式の形が変わるので、夾角がどちら回りで測られたかを必ず確認すること。
第4問(多角測量)
問: 多角(トラバース)測量における「閉合誤差」と「閉合比」の意味を述べよ。
答: 閉合誤差とは、閉合トラバースで全測線の緯距・経距をそれぞれ合計したときに、本来0となるべき値からのずれ(残差)のこと。閉合比とは、この閉合誤差を全測線長の合計で割った値で、観測精度を評価する指標である。
解説: 閉合トラバースは出発点に戻る経路をとるため、緯距の総和ΣΔX=0、経距の総和ΣΔY=0になるのが理論値。実際にはわずかな観測誤差で完全には閉じないので、その差が閉合誤差。
閉合比は 「閉合誤差÷総測線長」 の形で表され、たとえば「1/10,000」のように分数で示すのが慣例。分母が大きいほど高精度(誤差が小さい)。試験では「分母が大きい方が精度が良い」「閉合誤差は緯距・経距それぞれで計算する」あたりが頻出。
第5問(水準測量)
問: 水準測量において、標尺(スタッフ)を「前後にゆっくり揺らしながら読み取る」のはなぜか。
答: 標尺をわずかに前後に揺らすと、読み値が一度小さくなり、再び大きくなる。この最小の値が、標尺が完全に鉛直(垂直)に立った瞬間の読みである。鉛直からのわずかな傾きによる誤差を除去するために行う読定法である。
解説: 標尺は人が手で持って立てるため、完全な鉛直を保つのは困難。傾いて読むと実際の高さより大きい値が読まれる(直角三角形の斜辺>底辺の関係)。よって揺らした中での最小値が真値に最も近い。
これを「ゆらし読み(標尺の前後揺動による最小値読定)」と呼ぶ。標尺気泡管がある場合はそれで鉛直を保つが、気泡管がない場合や精度を上げたい場合に揺らし読みを併用する。
第6問(水準測量)
問: 望遠鏡で標尺を覗いたとき、目を上下左右に動かすと十字線と標尺の目盛が相対的にずれて見える現象を何というか。また、その除去方法を答えよ。
答: 視差(パララックス)という。除去するには、①接眼レンズで十字線が最も鮮明に見えるように調整し、次に②合焦ねじ(フォーカスつまみ)で標尺像が最も鮮明に見えるように調整する。この2段階を行うことで、十字線と標尺像が同じ焦点面に結像し、視差が消える。
解説: 視差が残ったまま読むと、観測者の目の位置のわずかな違いで読み値が変わってしまう。接眼→対物の順に合わせるのがコツで、逆順だとうまく合わない。
水準測量だけでなく、トータルステーション・トランシットなど望遠鏡を使うすべての測量機器に共通する基本作法。試験では「先に対物レンズを合わせるべきか」「視差が残ると何が問題か」という形で出題されやすい。
第7問(地形測量・数値地形測定)
問: 数値標高データの「DEM」「DSM」「DTM」のそれぞれの違いを述べよ。
答:
- DEM(Digital Elevation Model):標高値を格子状に並べた数値標高モデルの総称
- DSM(Digital Surface Model):建物・樹木など地表のすべての対象物の表面高を含む標高モデル
- DTM(Digital Terrain Model):建物・樹木を取り除いた地表面そのものの高さを表す標高モデル
解説: 航空レーザ測量では、レーザパルスが樹木の葉や建物の屋根で反射するとDSMが、地表まで到達したパルスを抽出するとDTMが得られる。DEMはこれら全体の総称として使われることが多いが、文脈によっては「DTMとほぼ同義」で使われることもある。
防災(浸水想定)や土木設計では地表面そのものが必要なのでDTMを、都市計画やビル日影計算では建物高さを含むDSMを使う、と用途で使い分ける。試験では「樹木を含むのはどちらか」が頻出。
第8問(写真測量・リモセン)
問: 航空写真測量における「対空標識」とは何か。設置目的を答えよ。
答: 対空標識とは、地上の既知点(基準点)の位置に設置する、空から識別しやすい白色の人工標識である。航空写真上でその位置を正確に判読し、**写真座標と地上座標を結びつける(標定する)**ために設置する。
解説: 対空標識は通常、白色のベニヤ板や塩ビ板を十字型・T字型に組んで地上に置く。撮影縮尺に応じてサイズを決め、上空から見て確実に判別できるようにする。
撮影後の解析作業(標定)では、対空標識を写した写真上の点と地上の既知点座標を対応づけることで、写真の位置・姿勢パラメータ(外部標定要素)を決定する。これがないと写真から正確な地物座標を取り出せない。試験では「設置時期は撮影前か後か」(→必ず撮影前)が頻出。
第9問(GNSS測量)
問: GNSS測量における「サイクルスリップ」とは何か。発生原因と影響を述べよ。
答: サイクルスリップとは、GNSS受信機が衛星からの搬送波位相を連続的に追跡できなくなり、観測値の整数値部分(搬送波の波数)が飛んでしまう現象である。ビル・樹木・橋梁等による衛星電波の遮断や、電離層の擾乱などが原因で発生する。
解説: GNSS測量(特にスタティック法)では、衛星からの搬送波の位相差を連続観測することで高精度な基線解析を行う。サイクルスリップが発生すると、その時点で位相の連続性が失われ、解析結果に誤差が混入する。
対策として、解析ソフトウェアでサイクルスリップを自動検出・修復する処理が組み込まれているが、観測中は上空視界が開けた場所を選ぶのが基本。試験では「樹木の下や高層ビル間で発生しやすい」「位相観測の連続性に関わる」点が頻出。
第10問(地図編集)
問: 地形図上における「真北」「磁北」「座標北(方眼北)」の3つの「北」の違いを述べよ。
答:
- 真北:地球の自転軸(北極点)を指す方向
- 磁北:磁石の指す方向(地磁気の北極を指す)
- 座標北(方眼北):平面直角座標系のX軸正方向
3つの方向は厳密には一致せず、真北と磁北の差を「磁針偏差(偏角)」、**真北と座標北の差を「真北方向角」または「子午線収差角」**という(文献によって測る向きの定義に若干の差異あり)。
解説: 日本では地域によって磁北は真北からおおむね**西へ約5〜10°**ずれている(西偏差)。地形図の欄外には「西偏約7°」のように偏差が記載される。
座標北は平面直角座標系の各系の原点子午線でのみ真北と一致し、東西に離れるほど真北とのずれ(子午線収差)が大きくなる。1/25,000地形図には3つの北を示す記号(方位記号)が記載されている場合がある。試験では「磁石が指すのはどれか」「3つの北は一致するか」が頻出。
試験日まで毎日、知識確認問題を連載していきます。今年の合格をめざして、諦めずに頑張っていきましょう‼