(土地家屋調査士試験ブレーンによる試案)

はじめに

本記事の内容は、土地家屋調査士試験ブレーンによる試案であり、執筆時点の情報に基づいています。個別の事情によって判断が分かれる場合があります。条文番号・規則番号等については一次資料(e-Gov法令検索等)での最終確認を前提としてご活用ください。


第1問【不動産登記法(表示)】建物表題登記の添付情報

問: 新築建物について表題登記を申請する場合、申請情報と併せて建物図面及び各階平面図を提供しなければならない。この場合、建物図面の縮尺は500分の1、各階平面図の縮尺は250分の1が原則である。○か×か。

答: ○(不動産登記令別表・不動産登記規則74条1項/一次資料での確認を推奨)。

解説: 建物表題登記の申請に必要な添付情報として建物図面・各階平面図が定められており、縮尺は建物図面500分の1・各階平面図250分の1が原則とされている。地形等の事情により変更できる場合がある。土地の表題登記に必要な地積測量図と混同しやすいが、建物の場合は地積測量図は不要。なお建物図面は「敷地との位置関係」、各階平面図は「各階の形状・求積」を示す目的で異なる。条文番号は一次資料(e-Gov法令検索)での確認を推奨する。


第2問【土地家屋調査士法】受任時の書面交付・説明義務

問: 土地家屋調査士は業務を受任するに際し、嘱託人に対して業務の内容及び費用について「書面を交付して」説明する義務を負う。○か×か。

答: ○(土地家屋調査士法・業務受任時説明義務規定/条文番号は一次資料での確認を推奨)。

解説: 土地家屋調査士法は「業務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、業務の内容及びその実施に係る費用について書面を交付して説明しなければならない」と定める。口頭説明では要件を満たさない。ただし依頼者が書面交付を不要と認める意思表示をした場合は省略可。「書面を交付して」という文言の確認がポイント。なお土地家屋調査士法人にも同条が準用される。試験では「口頭でも可」や「義務ではない」という誤肢が出やすい。正確な条文番号はe-Gov法令検索で現行条文を確認のこと。


第3問【民法・相隣関係】囲繞地通行権と償金

問: 袋地所有者が民法210条に基づく囲繞地通行権を行使する場合、原則として囲繞地所有者に対し通行により生じた損害の償金を支払わなければならないが、分割によって袋地が生じた場合はこの限りでない。○か×か。

答: ○(民法212条1項、213条1項・2項)。

解説: 民法212条1項は囲繞地通行権の行使に伴う損害償金の支払義務を定める(後払い可:同条1項ただし書で「一年ごとに支払うことができる」)。囲繞地通行権は無償ではない。例外として、土地の分割によって袋地が生じた場合(民法213条1項)は、他の分割地のみを通行でき、償金は不要とされる。また土地の一部譲渡によって袋地が生じた場合も同様(213条2項で1項を準用)。「分割→1項直接適用・償金不要、一部譲渡→2項準用・償金不要」と整理すること。「囲繞地通行権は無償」という誤肢と、213条の例外の有無が試験頻出ポイント。


第4問【測量計算】座標法(ガウスの公式)による面積計算

問: 以下の座標値を持つ4点A〜Dで囲まれた四角形の面積を座標法で求めよ。

X座標(m) Y座標(m)
A 0.000 0.000
B 12.000 0.000
C 12.000 9.000
D 0.000 9.000

答: 108.00㎡

解説: 座標法による面積計算(ガウスの公式):

$$2S = \left|\sum_{n=1}^{N}(X_n Y_{n+1} - X_{n+1} Y_n)\right|$$

各辺の計算(最終点の次は第1点に戻る):

  • A→B:(0×0)−(12×0) = 0
  • B→C:(12×9)−(12×0) = 108
  • C→D:(12×9)−(0×9) = 108
  • D→A:(0×0)−(0×9) = 0

$$2S = |0 + 108 + 108 + 0| = 216 \quad \Rightarrow \quad S = 108.00,\text{㎡}$$

本問は12m×9mの長方形で検算容易。実試験では不整形地・小数点座標での計算精度が勝負となる。ガウスの公式のΣ計算を順番どおり実行し、最後に1/2にする手順を確実に習得すること。


第5問【作図・書式】地積測量図の法定記載事項

問: 地積測量図の記載事項として、「土地の所在及び地番」「地目」「地積及びその求積方法」「境界標の表示(あるときに限る)」「方位」「縮尺」が含まれる。この記述は正しいか。

答: 正しいが不完全。不動産登記規則77条1項には、これらに加えて「地積測量図を作成した年月日」「作成した土地家屋調査士の氏名」「筆界点の座標値」等の記載事項も含まれる。

解説: 不動産登記規則77条1項は地積測量図の記載事項を列挙する。問題文の6項目に加え、地積測量図を作成した年月日、作成した土地家屋調査士の氏名、筆界点の座標値等が含まれる。「方位・縮尺・作成年月日・調査士氏名」を漏らした選択肢は不完全(誤り)となる。平成17年の不動産登記法全面施行に伴う規則改正で座標値記録の義務が拡充された経緯もある(法務省令番号は一次資料での確認を推奨)。地積測量図と建物図面・各階平面図の記載事項を混同しないよう科目別に整理すること。


出題分野の振り分け

分野 論点
第1問 不動産登記法(表示) 建物表題登記の添付情報・縮尺規定
第2問 土地家屋調査士法 業務受任時の書面交付・説明義務
第3問 民法(相隣関係) 囲繞地通行権と償金・213条の例外
第4問 測量計算 座標法(ガウスの公式)による面積計算
第5問 作図・書式 地積測量図の法定記載事項(規則77条1項)