第1問(測量法・業務範囲)
問: 測量士補は、測量士の指示がない状態で単独に測量作業を行うことができるか。また、測量士が「計画の作製のみ」を行い自ら実施作業を行わないことは、測量法上許されるか。
答: 測量士補の単独作業はできない。測量士が計画作製のみを行うことは許される。
解説: 測量法第48条は「技術者としての測量士は、測量に関する計画を作製し、又は実施する業務を行うことができる」と規定する。「作製し、又は実施する」と選択的に並列されているため、計画作製専業・実施専業・両方のいずれも適法。
第49条は「測量士補は、測量士の指示の下に、前条に規定する業務を行うことができる」と規定する。「指示の下に」は絶対要件であり、測量士補の単独実施作業は同条違反となる。
中級者の引っかけは「測量士は計画と実施を両方しなければならない」という誤読と、「軽微な作業なら測量士補でも単独可能」という根拠のない例外の誤信である。いずれも条文に根拠はない。
第2問(水準測量・往復観測の閉合差判定)
問: 2級水準測量において往復観測を実施した結果、往路観測高低差が+12.345m、復路観測高低差が−12.328mであった。路線長が9kmのとき、この観測は公共測量作業規程の準則上の許容範囲内か。
答: 許容範囲外。
解説:
往復観測の差(絶対値):
$$|12.345 - 12.328| = 0.017 \text{ m} = 17 \text{ mm}$$
2級水準測量の往復観測差の許容値(公共測量作業規程の準則・令和2年改正)(一次資料での条番号確認を推奨):
$$5.0\sqrt{S} \text{ mm} \quad (S = \text{路線長 km})$$
$$= 5.0 \times \sqrt{9} = 5.0 \times 3 = 15 \text{ mm}$$
$17\ \text{mm} > 15\ \text{mm}$ ゆえ許容範囲外、再測が必要。
引っかけは「往復の差」を符号付きのまま読んで17mmを見落とすパターン。復路は符号反転して加算し、残差の絶対値と許容値を比較することを徹底する。
第3問(写真測量・撮影高度計算)
問: 焦点距離153mmのカメラを使用して縮尺1/20,000の空中写真を撮影する計画である。撮影対象地域の平均標高が250mのとき、必要な撮影高度(海抜)は何mか。
答: 3,310 m
解説:
空中写真の縮尺公式:
$$\frac{1}{m} = \frac{f}{H}$$
$f$:焦点距離、$H$:撮影高度と地表面の高度差(比高)
$$H = f \times m = 0.153 \text{ m} \times 20{,}000 = 3{,}060 \text{ m}(地表からの比高)$$
$$\text{撮影高度(海抜)} = 3{,}060 + 250 = \mathbf{3{,}310 \text{ m}}$$
引っかけは「撮影高度(海抜)」を求めているのに「地表からの比高3,060m」を答えてしまうパターン。縮尺公式のHは比高であることを常に意識する。
第4問(地図編集・等高線間隔)
問: 縮尺1/25,000の地形図において、計曲線の標高間隔は何mか。また、計曲線と計曲線の間には主曲線が何本引かれるか。
答: 計曲線間隔は50m、間に主曲線が4本。
解説:
縮尺1/25,000地形図の等高線間隔(公共測量標準図式・令和2年改正・国土地理院):
| 種類 | 間隔 |
|---|---|
| 計曲線 | 50 m |
| 主曲線 | 10 m |
| 間曲線(補助曲線) | 5 m |
計曲線は主曲線の5倍の間隔で描かれる。50m÷10m = 5本に1本が計曲線であるため、計曲線と計曲線の間には主曲線が4本存在する(50mの間に10m・20m・30m・40mの4本)。
引っかけは「5本おき」を「間に5本ある」と誤読するパターン。「5本に1本=間に4本挟む」の区別を徹底する。
第5問(応用測量・単曲線の接線長と曲線長)
問: 交角(IP角) $I = 60°$、曲線半径 $R = 200$ m の単曲線について、接線長(TL)および曲線長(CL)を求めよ。なお $\tan 30° = 0.57735$、$\pi = 3.14159$ として計算すること。
答:
$$TL \fallingdotseq \mathbf{115.47 \text{ m}}, \quad CL \fallingdotseq \mathbf{209.44 \text{ m}}$$
解説:
単曲線の基本公式:
$$TL = R \cdot \tan\frac{I}{2} = 200 \times \tan 30° = 200 \times 0.57735 = 115.47 \text{ m}$$
$$CL = \frac{\pi R I}{180} = \frac{3.14159 \times 200 \times 60}{180} = \frac{37{,}699.08}{180} = 209.44 \text{ m}$$
引っかけは交角IをそのままtanIに代入し(tan60°を使い)TLを過大計算するパターン。公式はI/2であることを確認する。また曲線長(弧長)を接線長と混同しないこと。
出題分野の振り分け
| 問 | 分野 | 論点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 測量法 | 測量士・測量士補の業務範囲(法48条・49条) |
| 第2問 | 水準測量 | 往復観測の閉合差と許容値計算 |
| 第3問 | 写真測量 | 縮尺公式・撮影高度(海抜換算) |
| 第4問 | 地図編集 | 1/25,000地形図の等高線間隔 |
| 第5問 | 応用測量 | 単曲線のTL・CL計算 |