第1問(測量法)
問: 測量法第1条が定める「測量法の目的」を3つ挙げよ。
答:
- 測量の基準・実施の基準を定めること
- 測量の重複を除き、測量の正確さを確保すること
- 測量業の適正な運営と健全な発達を図ること
解説: 測量法は、国の土地に関する測量という公的な性格をもつ作業について、国全体で基準を統一し、重複した測量による無駄を省き、全国で正確で整合性のある測量成果を作るとともに、測量業(測量を業として営む事業者)の登録・規制を通じて健全な業界運営を図ることを目的としています。
試験では「目的に含まれないものはどれか」という形で問われることが多い分野です。「経済発展」「土地取引の円滑化」「災害対策」などはそれっぽく見えても目的条文には書かれていないので、選択肢で見かけたら誤りと判断できるようにしておきましょう。
第2問(測量法/測量の区分)
問: 測量法では、測量を3つに区分している。それぞれの名称を答えよ。
答:
- 基本測量(測量法4条)
- 公共測量(測量法5条)
- 基本測量及び公共測量以外の測量(測量法6条)
解説:
- 基本測量:すべての測量の基礎となる測量で、国土地理院が実施します。国土の骨格となる三角点・水準点・電子基準点の整備や、地形図の作成などです。
- 公共測量:国や地方公共団体が費用の全部または一部を負担し、または補助して実施する測量で、基本測量以外のものをいいます。
- その他の測量:上記以外の測量です。民間の宅地造成のために行う測量などが該当します。
「だれが実施するか」「だれが費用を負担するか」で区分が変わる、というのが頭の整理ポイントです。
第3問(基準点測量)
問: 国土地理院が設置する三角点の等級は1等から何等まであるか。また、1等三角点と2等三角点の標準的な設置間隔をそれぞれ答えよ。
答:
- 三角点の等級は 1等から4等まで
- 1等三角点:約 25km 間隔
- 2等三角点:約 8km 間隔
解説: 三角点は、国土の水平位置(緯度・経度・平面直角座標)の基準となる点です。1等三角点が国土の骨格をつくり、その間を2等・3等・4等三角点が段階的に細かく埋めていく構造になっています。
| 等級 | 設置間隔(標準) |
|---|---|
| 1等 | 約25km |
| 2等 | 約8km |
| 3等 | 約4km |
| 4等 | 約2km |
設置間隔の数字は試験で問われやすいので、1等25km・2等8kmの2つだけでも確実に覚えておきましょう。
第4問(水準測量)
問: 国土の高さ(標高)の基準となる「日本水準原点」はどこに設置されているか。また、その標高値を答えよ。
答:
- 設置場所:東京都千代田区永田町(国会議事堂前)
- 標高:24.3900m
解説: 日本水準原点は、日本国内のすべての標高値の出発点となる点です。明治24年(1891年)に設置され、当時は標高 24.5000m と定められていました。
その後、関東大震災(1923年)後の再測量で 24.4140m に改定され、さらに東日本大震災(2011年)後の地殻変動を受けて、平成23年(2011年)10月に現在の 24.3900m に改定されました。
「日本水準原点の標高は時代によって変わってきた」という事実が問われることもあります。地殻変動が起これば原点ですら動く、という点を押さえておきましょう。
第5問(水準測量)
問: 水準測量で使う**ベンチマーク(BM)と仮ベンチマーク(TBM)**の違いを述べよ。
答:
- ベンチマーク(BM、水準点):標高が確定し公表されている永久標識。国土地理院や地方公共団体が設置し管理する。
- 仮ベンチマーク(TBM):作業現場ごとに仮に設置する基準点。BMから水準測量で標高を引き出して使い、その作業が終われば役目を終える。
解説: 工事現場や測量作業のたびに毎回 BM まで戻って標高を測るのは非効率です。そこで、現場の使いやすい場所に仮ベンチマーク(TBM)を設置し、その日の作業はそこを基準として進めます。
TBM の標高は、近くの BM から水準測量で正確に引き出します。「TBM は仮の基準であって、もとをたどると必ず BM につながっている」という関係を押さえておきましょう。
「BenchMark」「Temporary BenchMark」の頭文字で覚えると忘れにくいです。
第6問(観測機器)
問: レベルと**トータルステーション(TS)**は、それぞれ何を測る機器か。簡潔に答えよ。
答:
- レベル:水平な視準線を作って標尺の目盛を読み取り、2点間の高低差を測る機器。水準測量で使う。
- トータルステーション(TS):1台で角度(水平角・鉛直角)と距離を同時に測れる機器。基準点測量・地形測量・路線測量など幅広く使う。
解説:
- レベルは「水平」だけが命です。望遠鏡を水平に保ったまま標尺を読み、前視・後視の差から高低差を求めます。電子レベルではバーコード標尺を読み取って自動で高低差を計算します。
- TS は「セオドライト(角度測定機)+光波測距儀」を一体化したもので、1点を視準すれば角度も距離も同時に得られるのが特徴です。観測値を内部で座標計算してくれるタイプも一般的になっています。
「測定対象が高低差なのか、角度+距離なのか」で機器選びの判断ができれば十分です。
第7問(GNSS測量)
問: GNSS測量の基本原理を、ひとことで説明せよ。何を測って何を求めているのかを明確に答えること。
答: GNSS測量は、複数の人工衛星から発信される電波が受信機に到達するまでの時間(または波の数)を測定し、その時間差から衛星と受信機の距離を求めて、受信機の位置(緯度・経度・楕円体高)を計算する測量である。
解説: GNSS(Global Navigation Satellite System)は、米国のGPSを含む全世界の衛星測位システムの総称です。GPS(米)、GLONASS(露)、Galileo(EU)、みちびき(日本のQZSS)などをまとめて呼びます。
衛星から受信機までの距離は、電波の到達時間 × 光の速さ で求めます。1個の衛星では球面上のどこかしか分からないので、最低4個以上の衛星を同時に観測することで、3次元の位置(X・Y・Z)と受信機の時計のズレを計算できます。
「衛星の電波で距離を測り、複数衛星から幾何的に位置を割り出す」というのがGNSS測量の根っこです。
第8問(地形図)
問: 2万5千分の1地形図は、国土地理院が作成する基本図のひとつである。この縮尺の地形図において、地図上の1cmは、実距離で何mにあたるか。
答: 250m。
解説: 縮尺の計算は単純な比例計算です。
地図上の長さ × 縮尺の分母 = 実距離
- 1cm × 25,000 = 25,000cm = 250m
国土地理院の基本図には次のような縮尺があります。
| 縮尺 | 地図上1cm = 実距離 |
|---|---|
| 1/2,500 | 25m |
| 1/10,000 | 100m |
| 1/25,000 | 250m |
| 1/50,000 | 500m |
特に 1/25,000は国土地理院の代表的な基本図で、試験でも頻出します。
第9問(誤差)
問: ある距離を5回観測し、次の値を得た。**最確値(算術平均)**を求めよ。観測値はすべて等精度とする。
- 100.012m
- 100.008m
- 100.010m
- 100.014m
- 100.006m
答: 100.010m
解説: 等精度の観測値の最確値は算術平均で求めます。
- 合計:100.012 + 100.008 + 100.010 + 100.014 + 100.006 = 500.050m
- 平均:500.050 ÷ 5 = 100.010m
工夫として「100.000mからの差」を使うと暗算でも解けます。
- 差:+12, +8, +10, +14, +6(単位:mm)
- 合計:50mm
- 平均:50 ÷ 5 = 10mm
- 最確値:100.000 + 0.010 = 100.010m
電卓が使えない測量士補試験では、こうした**「基準値からのズレ」で計算量を減らすテクニック**が役立ちます。
第10問(測量法)
問: 公共測量の作業規程は、誰の承認を受ける必要があるか。
答: 国土地理院の長(測量法33条)。
解説: 公共測量を実施する者は、作業規程を定めて国土地理院長の承認を得てから測量に着手する必要があります。
| 手続き | 根拠条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 作業規程の承認 | 測量法33条 | 国土地理院長の承認が必要 |
| 計画書の提出 | 測量法36条 | 国土地理院長に技術的助言を求める |
| 成果の使用 | 測量法30条 | 基本測量の成果を使う場合は承認が必要 |
「承認を受けるもの」と「技術的助言を求めるもの」は試験で混同を狙われます。作業規程(33条)と成果使用(30条)は「承認」、計画書(36条)は「技術的助言」、と区別して覚えましょう。条文番号と「承認 / 助言」の組み合わせがそのまま選択肢の正誤を分けます。
試験日まで毎日、知識確認問題を連載していきます。今年の合格をめざして、諦めずに頑張っていきましょう‼