2026年本試験に向けて、出題可能性の高い論点を一問一答形式でまとめました。司法書士試験5問・土地家屋調査士試験5問の計10問です。答えを隠しながら解いて、条文番号まで確認するのがおすすめです。


司法書士試験編

問1【不動産登記法】相続登記の申請義務

Q. 相続により不動産の所有権を取得した者が、正当な理由なく申請義務を履行しない場合に科される過料の上限額はいくらか。また、その根拠条文を答えよ。

A. 10万円以下の過料(不動産登記法164条1項)

解説: 2024年4月1日施行。「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ所有権取得を知った日から3年以内」が申請期限(76条の2第1項)。過料の数字(10万円以下)は択一で直接問われる典型値。「相続人申告登記」(76条の3)との選択制も押さえること。


問2【民法・共有】改正後の共有物管理者

Q. 2023年4月施行の改正民法により新設された「共有物の管理者」について、①共有者以外の第三者を管理者に選任できるか、②選任・解任の要件は何か、をそれぞれ答えよ。

A. ①できる(第三者でも可) ②共有者の持分価格の過半数による決定(民法252条の2第1項)

解説: 改正共有は「変更(251条)・管理(252条)・管理者(252条の2)」の三層構造で整理する。管理者は共有物の管理に関する行為を行う権限を持つが、「変更・処分」は共有者全員の同意が別途必要。誤肢では「選任に全員同意が必要」「管理者は共有者でなければならない」パターンが頻出。


問3【会社法】取締役の任期と定款による伸長

Q. 取締役会設置会社でない非公開会社において、取締役の任期を定款で伸長できる最長年数は何年か。根拠条文とあわせて答えよ。

A. 10年(会社法332条2項)

解説: 原則は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時総会の終結時まで」(332条1項)。公開会社は伸長不可・短縮のみ可。非公開会社のみ最長10年まで伸長できる。監査役(10年伸長可・336条2項)との比較問題でよく混乱するので注意。


問4【民法・相続】遺留分侵害額請求権の消滅時効

Q. 遺留分侵害額請求権が時効消滅する期間を二つ答えよ。

A. 遺留分権利者が相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年、相続開始の時から10年(民法1048条)

解説: 「知った時から1年」は短期消滅時効。「知らなくても10年」は除斥期間ではなく消滅時効に改められた点(改正前は除斥期間)が理論問題として問われやすい。行使方法は意思表示で足りるが、具体的な金額の算定は別途必要とされる(旧法の遺留分減殺請求権に関する判例法理の趣旨は現行法でも維持されると解されているが、制度の性質が金銭債権に変更されている点に注意)。


問5【民事訴訟法】IT化改正・オンライン提出義務の主体

Q. 民事訴訟法(令和4年改正)により、訴状等のオンライン提出が義務づけられたのはどのような主体か。

A. 委任を受けた訴訟代理人(弁護士・認定司法書士等)(民事訴訟法・電子情報処理組織利用規定)

解説: 本人申請はオンライン提出は任意。代理人はシステムを利用できる環境にある限り義務。「書面提出が一律廃止された」という誤肢に引っかからないこと。期日へのウェブ参加(87条の2)・判決正本の電子化など改正事項は連動して押さえておく。


土地家屋調査士試験編

問1【不動産登記規則】地積測量図の座標値と測地系

Q. 地積測量図に記録すべき境界点の座標値は、どの測地系に基づく平面直角座標系によらなければならないか。根拠条文とあわせて答えよ。

A. 世界測地系に基づく平面直角座標系による座標値を記録する(不動産登記規則77条関係)

解説: 平成17年改正(2005年3月7日施行)以降に作成される地積測量図は旧日本測地系ではなく世界測地系を使用。「旧測地系でも可」という誤肢に注意。座標値はm単位・小数点以下2桁で記録する点も数値問題で問われる。


問2【不動産登記規則】区分建物の床面積の算定方法

Q. 区分建物の床面積の算定方式を答えよ。また、一棟の建物全体(非区分)の床面積算定方式と何が異なるか。根拠条文も示せ。

A. 区分建物:壁その他の区画の内側線(内法)で囲まれた水平投影面積(不動産登記規則115条)、一棟の建物(非区分):壁その他の区画の中心線(壁芯)で囲まれた水平投影面積(同規則114条)

解説: 「内法か壁芯か」は最頻出論点の一つ。区分建物=内法、非区分=壁芯という対比を条文番号(114条・115条)とセットで覚える。


問3【不動産登記事務取扱手続準則】地目の認定基準

Q. 永年性の果樹(りんご・なし等)が植え付けられた耕作地の地目は何か。また、桑・茶・はたけわさびなど永年性植物を栽培する土地の地目は何か。

A. いずれも「畑」(不動産登記事務取扱手続準則68条関係)

解説: 「果樹園=別地目」という誤解を突く問題。水稲以外の耕作物(永年性含む)は原則「畑」。「田」と「畑」の区別(用水を利用して耕作するか否か)も必ず確認。


問4【土地家屋調査士法】業務範囲

Q. 土地家屋調査士が「業として」行うことができる行為として、不動産登記に関する審査請求の手続の代理は含まれるか。また含まれる場合の根拠条文を答えよ。

A. 含まれる。土地家屋調査士法3条1項に「不動産の表示に関する登記の申請手続について審査請求の手続を代理すること」が明記されている。

解説: 調査士の業務範囲(3条)は「申請代理・審査請求代理・図面作成・調査・測量・ADR代理」の構造で整理する。誤肢パターンは「司法書士のみが審査請求代理を行える」「調査士は図面作成のみ」。


問5【測量・面積計算】座標法(ガウスの公式)による地積計算

Q. 座標法(ガウスの公式)により三角形ABC(A(2,2)・B(8,2)・C(5,8))の地積を求めよ。

A. S = (1/2)|2(2−8)+8(8−2)+5(2−2)| = (1/2)|−12+48+0| = 18.00㎡

解説: 本試験の書式問題では座標値が与えられ、ガウスの公式で地積を算出する流れが定番。符号ミスと絶対値の取り忘れが失点の二大原因。地積の記録はm²・小数点以下2桁(0.01㎡単位)。