第1問(測量法)

問: 「電子基準点」とは何か。役割と国土地理院による設置点数の概略を答えよ。

答: 電子基準点とは、国土地理院が全国に約1,300点設置している、GNSS衛星からの電波を24時間連続して観測する基準点である。観測データは国土地理院のサーバに集約され、位置情報の提供・地殻変動の監視・公共測量の基準点として広く活用される。

解説: 電子基準点は1990年代から整備が始まり、現在では1級基準点と同等の精度を持つ高精度基準点として位置づけられている。GNSS測量(特にスタティック観測)における既知点として頻繁に利用されるほか、地震・火山活動による地殻変動の検出にも使われる。

試験では「24時間連続観測」「公共測量の既知点として使用可能」「全国約1,300点」が頻出キーワード。


第2問(多角測量)

問: 「偏心観測」とは何か。どのような場面で必要となるかを答えよ。

答: 偏心観測とは、本来観測すべき既知点や求点に観測機器を設置できない場合に、その近傍の別の点(偏心点)に機器を設置して観測し、後の計算で本来の測点における観測値に補正する方法である。

解説: 既知点が建物の真下にあったり、樹木で視通が確保できない場合、その点で直接観測できないことがある。このとき近傍に偏心点を設けて観測し、別途**偏心要素(偏心距離・偏心角)**を測定して、計算で本来の点での値に変換する。

試験では「障害物・視通不良が原因」「偏心要素の測定が別途必要」「計算で本来の点の観測値に変換」が頻出。


第3問(多角測量)

問: 多角測量における「緯距」と「経距」とは何か。測線長 L と方位角 α からそれぞれを求める計算式を答えよ。

答:

  • 緯距(ΔX):測線の X軸方向(北方向)の成分。計算式は ΔX = L × cos α
  • 経距(ΔY):測線の Y軸方向(東方向)の成分。計算式は ΔY = L × sin α

解説: 平面直角座標系ではX軸が北方向、Y軸が東方向で、方位角 α は北から右回りに測る。よって北方向成分は cos、東方向成分は sin で求まる。

数学の座標系(X=右、Y=上、角度は反時計回り)と軸の役割が逆になっている点に注意。「ΔX に sin を、ΔY に cos を使ってしまう」誤りが頻出ひっかけパターン。


第4問(多角測量)

問: 公共測量における基準点は1級から何級まで分類されているか。それぞれの設置目的を簡潔に答えよ。

答: 1級〜4級基準点の4等級に分類される。

  • 1級基準点:基本となる骨格基準点。広範な地域の基準ネットワークを構成する
  • 2級基準点:1級基準点を補強・細密化する
  • 3級基準点:地形測量・地籍測量等の細部作業の基礎となる
  • 4級基準点:3級をさらに細密化し、細部測量に直接用いる

解説: 基準点測量は等級ごとに精度クラス・設置間隔・観測方法が公共測量作業規程の準則に定められており、上位級(1級)ほど高精度で、設置間隔も広い。1〜2級は主にトラバース測量・GNSS測量で設置し、3〜4級はそれを補完する位置づけ。

試験では「等級が小さい方が高精度」「等級ごとに設置間隔・精度クラスが異なる」が頻出。


第5問(水準測量)

問: 水準測量における「視準軸誤差」とは何か。また、これを消去するための観測方法を答えよ。

答: 視準軸誤差とは、レベルの視準軸(望遠鏡の光軸)が水平からわずかに傾いているために生じる誤差である。これを消去するには、**前視と後視の視準距離を等しくする(等距離法)**観測を行う。両者に同量の誤差が乗るため、高低差(後視−前視)の計算で打ち消される。

解説: 視準軸誤差は、視準距離が長いほど誤差量が大きくなる(傾き × 距離で増幅)。前視・後視の距離を等しくすれば、両者に同じ大きさの誤差が含まれるため、引き算でゼロになる。これは水準測量における基本的な誤差消去法で、現場では歩測や標尺台の配置で距離調整を行う。

試験では「等距離法」「視準軸誤差は等距離観測で消去できる」が定番セット。


第6問(水準測量)

問: 水準測量における「標尺補正」のうち、温度補正尺度補正の意味をそれぞれ答えよ。

答:

  • 温度補正:観測時の気温により標尺(特にインバール製)の金属が膨張・収縮することによる長さ変化を補正する
  • 尺度補正:標尺の目盛そのものが基準長からわずかにずれていることを補正する

解説: 高精度水準測量(1級・2級)では、これらの補正を加えないと正確な高低差が得られない。インバール標尺は温度による膨張係数が極めて小さい合金で、高精度水準測量に標準的に用いられるが、それでも厳密には温度補正が必要。

尺度補正は、標尺ごとの製造誤差を出荷時または定期検定時に測定し、補正値(尺度定数)として与えられる。試験では「インバール標尺の温度補正の必要性」「尺度補正は標尺ごとに値が異なる」が頻出。


第7問(地形測量・数値地形測定)

問: 国土地理院が刊行する基本図のうち、代表的な3つの縮尺を挙げ、それぞれの主な用途を答えよ。

答:

  • 1/2,500(および1/5,000)地形図:都市部の詳細地形・建物表示。都市計画・施設管理に使用
  • 1/25,000地形図:日本全国を覆う最も基本的な地形図。登山・地域計画・防災などで広く使用
  • 1/50,000地形図/1/200,000地勢図:広域の地形概観。広域計画・観光地図・地域研究に使用

解説: 1/25,000地形図が日本で最も広く使われる基本図。1/2,500は都市計画図として主に地方公共団体が整備、1/200,000は広域図として位置づけられる。近年は紙地図から**数値地図(電子地形図)**への移行が進み、ウェブ地理院地図で閲覧できる。

試験では「最も基本となる縮尺は1/25,000」「縮尺と表現される情報量の関係(縮尺が大きいほど詳細)」が頻出。


第8問(写真測量・リモセン)

問: 航空写真測量における「B/H比(基線高度比)」とは何か。B/H比が大きい場合・小さい場合の特徴を述べよ。

答: B/H比とは、隣接する2枚の空中写真の撮影位置間の距離(基線長 B)を撮影高度(H)で割った値である。

  • B/H比が大きい:立体視における視差が大きく、高さの判読精度に有利。ただし建物等の倒れ込みも大きくなる
  • B/H比が小さい:画像の歪みや陰影の影響が小さく判読しやすいが、高さの計測精度は落ちる

解説: 一般的な航空写真測量では B/H比は0.6前後が標準。B/H比は撮影計画段階で「縦方向の重複度」によって決まる(重複度60%でB/H比は約0.6)。

試験では「B/H比の定義式(B÷H)」「大きいほど高さ計測に有利」「重複度との関係」が頻出。


第9問(GNSS測量)

問: GNSS測量の観測方法のうち「スタティック法」「短縮スタティック法」「キネマティック法」の3つを比較し、それぞれの特徴と使用場面を答えよ。

答:

  • スタティック法:受信機を1点に30分〜数時間静止させて長時間観測。最高精度。1〜2級基準点測量に使用
  • 短縮スタティック法:観測時間を10〜20分程度に短縮した方法。3〜4級基準点測量に使用
  • キネマティック法:受信機を移動させながら観測。細部測量・地形測量に使用

解説: 精度と時間はトレードオフの関係:スタティック>短縮スタティック>キネマティックの順で精度が高く、観測時間も長い。**RTK法(リアルタイムキネマティック)**はキネマティック法の一種で、観測と同時に座標解析が完了する。

試験では「精度と観測時間のトレードオフ」「観測方法と等級の対応」「RTKはキネマティックの仲間」が頻出。


第10問(応用測量・路線測量)

問: 路線測量における「BC」「EC」「IP」の3つの用語の意味を答えよ。

答:

  • BC(Beginning of Curve)曲線の始点。直線区間から円曲線に移る点
  • EC(End of Curve)曲線の終点。円曲線から直線区間に戻る点
  • IP(Intersection Point)交点。2本の直線の延長線が交わる点

解説: 道路や鉄道などの路線測量では、直線区間と円曲線区間が交互に現れる。直線→BC→(円曲線)→EC→直線という配置が基本。IPは2本の接線(直線)の延長線が交わる点で、ここに直接道路を通すと角張りすぎるため、IPの周りに半径Rの円曲線(と必要に応じて緩和曲線)を挿入して滑らかにつなぐ。

試験では「BCとECの間に挿入されるのは円曲線」「IPと曲線中心は別物」「直線→BC→曲線→EC→直線の順序」が頻出。


試験日まで毎日、知識確認問題を連載していきます。今年の合格をめざして、諦めずに頑張っていきましょう‼